全視情協岩手大会 宣言・決議

 去る10月15日(木)〜17日(土)、岩手県盛岡市で開催された第35回全国視覚障害者情報提供施設大会は、最終日の式典で大会宣言・大会決議を高らかに謳い上げ、無事閉会しました。遠路ご臨席くださいました来賓の方々、二日目のテーマ別分科会「地デジの問題点を考える」、機器展、バリアフリー映画会などにご参加いただいた地元の利用者の方々に深く御礼申し上げます。

 宣言・決議につきましては、今後、関係各方面に働きかけ、視覚障害者の情報環境整備につながるよう、実現に向けて努力していきます。

 



大会宣言

 

 2006年12月に国連で採択された「障害者の権利に関する条約」は、障害者の人権及び基本的自由の完全な実現を確保し、促進するための措置を締約国がとること等を定めています。そして、この条約は、既に世界の多くの国々で批准されており、我が国においてもその準備が進められています。

 その大きなうねりの中で、2009年6月、著作権法が先陣を切り、障害者関係についての画期的な内容を含んだ改正が行われました。この著作権法が施行される2010年1月に向けて、私たちは、権利条約の趣旨が十分に生かされるよう、視覚障害者等への情報保障がより確実に行われることを目指して取り組みます。

 

 視覚障害者情報ネットワーク「ないーぶネット」は、点字と音声のデータを含め、多様で豊富な形態の情報を視覚障害者等一人一人に提供できる、画期的な総合ネットワークに生まれ変わろうとしています。点字情報や音声情報の充実はもとより、様々な資料や地域生活情報などのデジタル化の推進とその利用を拡げ、視覚障害者等が必要とする形態で入手できる情報環境の向上を目指します。

 

 視覚障害者の文字の読みと書きという情報文化の基礎とも言える点字を考案したルイ・ブライユ生誕200年、さらに日本の点字を翻案した石川倉次生誕150年の記念すべき2009年を契機に、点字文化の歴史と価値を再確認し、点字を将来に向けてしっかりと守り育てていくための事業に取り組みます。

 

 島根あさひ社会復帰促進センターの事業として、点訳及び音訳の基礎的な学習や作業実習を通して、視覚障害者やボランティア等への理解を深め、さらには様々な業務の修得による社会人としての役割を身に付ける事業に取り組みます。

 

 以上の様々な活動を積極的に推進し、本大会においては、発展する様々な制度や技術を吸収するとともに各地域での豊かな経験に学び、そのことを踏まえて、日本盲人会連合を始めとする関係諸団体と手を携えて行政諸機関等とも協議を重ね、視覚障害者情報提供施設・団体利用者の情報文化のさらなる充実を目指していくことを、ここに宣言します。

 

      平成21年10月17日

      第35回全国視覚障害者情報提供施設大会

 



大会決議

 

 一 視覚障害者等の一人一人に必要な、生活のための情報、地域における情報、そして豊かな文化的情報など、必要な情報とコミュニケーション手段を明確に保障する制度の構築を図られたい。

 

 一 2010年1月に施行される改正著作権法において、視覚障害者への音声等情報の複製製作を担当しているすべての施設・団体に対する著作権者の許諾不要が保障されること、及び、視覚によって得られる情報とまったく同様に音声情報等が提供されない場合は、上記施設・団体に対しそれらの媒体の製作についても許諾不要であることを明確にされたい。

 

 一 地上波デジタル放送完全実施まで1年半余となったいま、視覚障害者の6割以上が日々の情報入手手段として利用しているテレビ放送を、音声でサポートしているのは1社のみであること、音声等で使用できるチューナーが必要とする視覚障害者に保障されていないこと、及び、視覚障害者の多くが頼っているFMラジオによるテレビ視聴のワンセグ代替が視覚障害者には利用できない状況を、早急に改善するよう強く指導していただきたい。

 

 一 障害者が必要とする音声その他、すべての形態の情報が、現在の点字郵便物や発受指定施設・団体での録音郵便物の扱いと同様に、無料扱いとなるように制度化していただきたい。

 

 一 カセットテープ録音再生機器がなくなりつつあるいま、必要とするすべての視覚障害者等に、デイジー再生機等の必要な情報機器が提供または貸与されることを保障されたい。

 

 以上、決議する。

 

      平成21年10月17日

      第35回全国視覚障害者情報提供施設大会

本文終わり

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