様々な見え方

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視覚障害というと、全盲(全く見えない)とイメージする方が多いですが、2009年に日本眼科医会が発表した推定値によると、視覚障害全体における全盲の方の割合は少数派で1割ほどです。
9割の方は「見えづらい」弱視(ロービジョン)の方で、その見え方は100人いれば100通りと言われるほど、人により異なります。
視力が出ない、視野が狭いなど、様々な見え方の中から、いくつか紹介します。

◆視力・視野による見づらさ

●ぼやけて見える…カメラのピントが合っていないイメージ。何かが「ある」ことはぼんやり分かりますが、細かい文字を読むことは難しいです。
●混濁して見える…半透明のクリアファイルを通して見るイメージ。
●眩しく感じる(羞明)…晴れた昼間に外でスライドを見るイメージ。白地に黒の文字では明るすぎて見づらいため、白黒反転(黒地に白字)や、黒地に黄色文字など見やすい配色を工夫します。
●夜盲(鳥目)…明るいところから暗い場所へ移動した時に起こる視力低下が、一般レベルと比べて極端で目が慣れることなくずっと続くイメージ。
●中心暗点…両目の前にげんこつを作って見るイメージ。視野の中心が見えないので細かい文字が読みづらく、拡大文字にしてもらうと読みやすいです。
●視野狭窄…小さな穴を覗いているようなイメージ。見える幅が狭く視力障害がない場合は、拡大文字は読みづらく細かい字の方が追いやすいこともあります。行を飛ばして読んでしまうこともあるので、見える範囲を1行だけに限定するタイポスコープがあると文字が読みやすくなります(定規や下敷きなどで不要な行を遮っても、同様の効果があります)。

見えづらさのパターンは他にもいろいろあり、また、何種類かの見えづらさを合わせ持っていることもあり、日によって見え方が変わることもあるため、自分の見え方を周囲に説明しづらいという悩みも多いです。

【外部リンク】

日本弱視者ネットワーク 
公益社団法人NEXT VISION 
日本ロービジョン学会 
公益社団法人 日本眼科医会 

◆色の識別がしにくい

先生が示している線がどれか分からない、友達に○○色を取ってと言われて困るなど、周囲の人と色の見え方が違うと感じたことはありますか。
色覚には5タイプあり、少数派のタイプに属していると、上記のようなことが起こりやすいです。
色の感じ方の違いを知ると、色の組み合わせ方などで認識しやすくなります。

【外部リンク】

NPO法人 カラーユニバーサルデザイン機構 
見えにくさを感じている方は日常生活の工夫、多くの人に分かりやすいデザインを考えたい企業は配色の組み合わせなどを知ることができるサイトです。

◆脳機能からの読みづらさ

視覚(眼機能)には問題がなく知的障害もないにも関わらず、文字が認識しづらい障害(読字障害、失読症など)があります。
詳しい原因は解明されていませんが、脳機能に関連していることが分かってきています。
見え方(困り方)は、文字がにじんで見える、歪んで見える、鏡文字になるなど、人によって様々です。
(読字障害には、音韻処理の不全でどう読むのか理解できないというタイプもあります)
日常生活では文字を使う場面が多いため、そのたびに困難を感じます。

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